<ライブで使ってみて>
Vintage1950も高性能でいいマウスピースで、パワーも音色も申し分ないのだが、もう少し抵抗感と音の太さが欲しく開発してもらったマウスピースだけに、その狙いは十分達成できたように思う。全体的に音も太くパワーもさらにアップしたようだ。シャンクの銅素材も、「キン」とした金属的なものではなく、あくまでウォームな音色を増幅している感じで変な違和感は全くない。音色は雑味たっぷりとは言えないが、スウィートで倍音の多い音色は特にノーマイクの環境では魅力的だ。
ジャズライブでは味のあるビンテージマウスピースも使っては見たいのだが、早いパッセージや跳躍や音程、フラジオなど実際のシーンでは色々とストレスがかかる。難しい曲などがあるとなおさらだ。お客さんに聞いてもらう以上、あまり楽器によるフィジカルなストレスは受けたく無いのが正直なところだ。
欠点らしい欠点は感じないが、ビンテージのマイヤーなどを探している人にとってはちょっと方向性が違うだろう。要因は色々あろうが素材の違いは大きいと思う。このマウスピースはNYマイヤーをコピーした物ではないが、形状を近づければ近づけるほど素材の壁にブチ当たるように思われる。SAXZは現代の素材に合わせたチャンバーデザインで古き良きサウンドのイメージを追求している。NYマイヤーの良さはもちろん認めているが、天の邪鬼な筆者は「いい音が出て当たり前」みたいなのはつまらないので、こういうマウスピースを使いたいのだ。
リガチャーは昔から持っている古いマイヤーのリガチャーが相性良く、筆者好みの音色が得られる。ハリソンも悪く無いが、ラバーとハリソンの組み合わせの見た感じがあまり好きではないのでやめにした。ブリルハートの復刻版も面白いが、ちょっとウォームすぎるかな?
リードは相性にそれほど苦労する事は無いが、筆者はLaVozのMHをメインに青箱の2-1/2あたりを使っている。
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